AUTOSAR

2024年5月20日

車載ソフトウェアの標準仕様AUTOSARとは?基礎説明から導入時のポイントまで

百年に一度の大変革期を迎えている自動車業界において、技術の進歩は目まぐるしい現状となっています。今や自動車は”走るコンピュータ”と言われることもあり、約200個のECU※が搭載されています。そのECUを動かすのに欠かせないものがソフトウェアです。 技術が進歩する一方で、ソフトウェアが複雑化することが大きな課題になっています。この課題を解決すべく、自動車の制御ソフトウェアの標準化活動を実施し、車載電子制御ユニット用の共通標準ソフトウェアアーキテクチャを策定、確立したのがAUTOSARと呼ばれるソフトウェア規格です。今回の記事では、自動車ソフトウェアの標準仕様であるAUTOSARについて説明します。 ※Electronic Control Unitの略称。車載に搭載される電子制御をするユニットを指す。   AUTOSARとは 正式名称AUTomotive Open System ARchitecture (以下、AUTOSAR) は、2003年に発足した自動車業界のグローバル開発パートナーシップです。活動の目的は、インフォテインメントを除く領域で、車載電子制御ユニット用の共通標準ソフトウェアアーキテクチャを策定、確立することになります。さまざまな車種やプラットフォームに対応できる拡張性、ソフトウェアの可搬性、可用性への配慮、安全要求への対応、多種多様なパートナーとの協業、天然資源のサステナブルな利用、車両の「製品ライフサイクル」 全般にわたる保守性などを目標としています。   AUTOSARのソフトウェアアーキテクチャ構造 AUTOSARのアーキテクチャは、次の3つの階層で構成されています。 ①Basic SoftWare (以下、BSW) 上層ソフトウェアの機能を動かすための必須サービスを提供する標準ソフトウェアモジュールです。ほとんどの場合、BSWには以下に述べるアプリケーション層のような機能は存在せず、その名の通り、ソフトウェアの基本となる部分です。 ②Run Time Environment (以下、RTE) アプリケーションソフトウェアのECU内、ECU間通信をネットワークトポロジーに依存せず抽象化するための中間層です。BSWと以下に述べるアプリケーション層を仲介する役割をしています。 […]
2017年1月31日

ペンタセキュリティ、ポップコーンザーとパートナーシップ締結し、自動車SW標準技術を適用

データベース暗号化とWebセキュリティ専門企業のペンタセキュリティシステムズ株式会社(日本法人代表取締役社長 陳貞喜、https://www.pentasecurity.co.jp、以下ペンタセキュリティ、ソウル/韓国本社、ヒュースト/米国法人)は、ポップコーンザーとパートナーシップを結び、1月18日から3日間、オートモーティブワールド2017に出展したことを明らかにしました。 ポップコーンザーは、昨年の1月設立されたコネクティッドカーSW専門のスタートアップ企業であり、スタートアップ企業としては世界初としてAUTOSAR(オートザー、AUTomotive Open System ARchitecture)の標準技術を保有しています。AUTOSARは、自動車内部でソフトフェアが占める比率が高まることにより制作された自動車業界共通の標準ソフトウェアアーキテクチャであり、トヨタ・BMW・GM・フォルクスワーゲンといったグローバル自動車企業が使用しているソフトフェアプラットフォームとして、自動車分野の事実上の標準(de facto standard)です。 今回のポップコーンザーとのパートナーシップを通して、ペンタセキュリティのコネクティッドカー・セキュリティソリューションであるAutocrypt(アウトクリプト)の自動車通信プロトコルに最適化されたファイアウォール(AutoCrypt AFW)をはじめ、自動車内部のセキュリティソリューションにAUTOSAR規格を反映できるようになりました。 ペンタセキュリティは、2017年1月18日から20日まで東京ビックサイトで開催された自動車技術展示会「オートモーティブワールド(Automoive World 2017)」に参加し、ポップコーンザーと共同で展示ブースを運営しました。ペンタセキュリティは、この展示会を通じて、AUTOSAR開発ツールが適用されたAutocrypt(アウトクリプト)ソリューションをLinux基盤のAdaptive AUTOSARで具現し、日本で初めて紹介し、展示会を訪れた人々から良い反応を得ました。 ペンタセキュリティのCSOのDSKimは「ペンタセキュリティは、約20年前にITベンチャー企業から始めた経験があるため、企業規模に関わらず優秀な技術を保有しているスタートアップやベンチャー企業とのパートナーシップを常に肯定的に検討している」とし、「数千円のAUTOSAR開発ツールをサービス方式のソフトウェアSaaS型(Software as Service)で使用できるように提供するポップコーンザーの企業信念は、情報セキュリティを一つの文化として作りたがるペンタセキュリティと非常に似ている面が多い。コネクティッドカー時代が到来したとき、世界中の誰もがAutocrypt(アウトクリプト)で安全な自動車で生活できるように製品開発にさらに努力していくつもりだ」と言及しました。
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