2024年10月30日

V2Xにおける正確な位置情報の重要性、SAE J2945/7について

V2X(Vehicle-to-Everything)通信は、自動運転車が周囲の車両やインフラとリアルタイムでデータを交換するための基盤です。この通信において、車線レベルでの正確な位置情報が不可欠です。特に、交差点や複雑な交通環境でのスムーズな運転や衝突回避には、位置情報の精度が重要な役割を果たします。 V2X(Vehicle-to-Everything)技術を活用した様々なサービスの中でも、車両の位置を把握する「V2Xポジショニング」は特に重要な技術です。これは、車両の正確な位置を把握することが多くのサービスの前提条件であり、位置情報がなければ位置基盤サービスが成り立たないためです。 V2Xポジショニングは、基本的にGNSS(全地球測位システム)を基盤にしています。しかし、GNSSによる位置測定には限界があり、完全に正確な位置情報を提供することは難しく、必ず一定の誤差が発生します。そのため、現在のGNSS受信機は「信頼度58%の範囲で約1.5メートルの誤差」といった形で精度が表記されます。つまり、42%のケースでは誤差が1.5メートルを超える可能性があるということです。このような誤差は、正確さが求められるリアルタイムシステムでは大きな問題となります。さらに、この測定精度は固定された基準点での複数回の測定を前提とするため、GNSSの性能が影響を与えやすいです。しかし、走行中の車両にとっては、リアルタイムで変動する精度が不可欠であり、より高いレベルの正確さが必要です。したがって、現行のGNSS方式とは異なる、リアルタイムに対応した新しい位置情報システムが求められています。   使用されているシステムと課題 米国自動車技術者協会(SAE:Society of Automotive Engineers)がまとめた「SAE J2945/7」文書には、「V2X精密ポジショニング」に関する内容が記載されています。V2Xの精密ポジショニングとは、車線レベルのポジショニングを意味します。車両のポジショニングの精度は、大きく「メートルレベルの精度」と「車線レベルの精度」に分類されます。V2X通信ではGNSS(全地球測位システム)が一般的に使用されていますが、GNSSは都市部での電波干渉や多重反射による誤差が数メートル単位で発生するという課題があります。また、DSRC(専用短距離通信)やC-V2X(セルラーV2X)技術を用いて車両間の情報交換を行っていますが、これだけでは車線レベルの高精度ポジショニングを実現するのは難しいです。 適用例と必要な精度 ・メートルレベルの精度: GNSS(全地球測位システム)の精度に相当するもので、メートル単位での位置情報のことを指します。盗難車の追跡や回収など、高い精度を必要としない用途に適しています。盗難車の位置を大まかに特定できれば十分なため、車線レベルの精度までは不要 ・車線レベルの精度: 道路上で車両がどの車線にいるかまで正確に特定できる精度を指します。前方の車両を認識し、GPS位置情報を用いて衝突回避の警告を送信するアプリケーションでは、車線単位の正確な位置情報が不可欠 このように、V2Xの車線レベルの精密ポジショニングは、より高度な安全運転支援システムや自動運転において、重要な役割を果たすと考えられます。   SAE J2945/7標準の役割 SAE J2945/7は、V2X通信のための高精度ポジショニングを標準化するための規格です。この標準の主な目的は、車線レベルの位置精度を確保し、車両間通信の安全性と効率を向上させることです。特に、車両の方向を表す「方位角(heading)」と「進行角(course)」の区別を明確にすることが求められ、これにより車両の進行方向が正確に伝えられます。 さらに、SAE J2945/7はリアルタイムで位置情報の品質を監視するガイドラインを提供しており、異常な位置情報が発生した場合に即時に検出・対応できる仕組みを推奨しています。この標準の適用により、より信頼性の高いポジショニングが可能となり、都市環境や高密度交通にも対応できるようになります。 SAE J2945/7のV2Xポジショニングに関する解説 SAE […]
2023年4月25日

自動運転にはクラウドサービスが必要?活用事例と課題について

現在、自動車はWireless KeyやETC、GPSなど多くの通信で外部と繋がっており、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング&サービス)、Electric(電気自動車)のCASEを制す企業が2020年代以降の自動車業界を制す、と言われています。そのうちの一つである自動運転システムの進化に伴い、車内で生じる通信量は確実に増加しています。自動車の通信先も複雑化しており、今後も増加する通信に対してクラウドが着目されています。本記事では、自動運転と求められるクラウドサービスについて解説していきます。   自動車の通信先と通信方式 自動車の通信先は、V2X通信種別として大きく6つ(V2V,V2I,V2P,V2N,V2D,V2G)に分類されます。まず、それぞれの通信について簡単に説明します。 V2V:自動車と自動車間の通信。緊急車両存在通知などの機能がある。 V2I:路側機と自動車間の通信。右折時注意喚起や赤信号注意喚起などの機能がある。 V2P:歩行者と自動車間の通信。歩行者の存在を知らせる機能がある。 V2N:ネットワークと自動車間の通信。様々なクラウドサービスの機能を利用することで実現している。 V2D:デバイスと自動車間の通信。スマートフォンなどと車を接続する機能がある。 V2G:充電設備と自動車間の通信。充電の動作状況について通信を行う このうち、本記事ではクラウドサービスを介して通信を行うV2Nに着目することとします。まず、ネットワークという通信相手に対して、どのような通信方式で通信が実現されるのでしょうか。V2Nの中でも通信中継点により異なる通信方式を取ります。 充電ステーション:電力線通信 スマートフォン/タブレットなど:Bluetooth/Wi-Fi 基地局:セルラー通信(4G/5Gなど) このように、自動車から上記の通信方式で通信中継点を介してインターネットに接続し、通信相手のクラウドサービスと接続することができます。それでは、クラウドサービスと接続するV2N通信によりどのような機能を実現できるのでしょうか。具体的に、以下の内容を実現することができます。 OTA:セルラー通信を利用することで、遠隔地より電子制御システムのソフトウェアのアップデートを行う。 オペレータサポート:オペレーターのガイドにより、目的地や周辺のスポットの検索などの各種ナビゲーションを支援する。 状態監視:ドアこじ開けや衝突など車両の状態を遠隔で監視し、所有者や監視センターへ通知する 遠隔操作:充電、エアコン、ドアロックなどを遠隔で操作する 料金支払い:車両利用中に発生する様々な料金の支払い(高速道路・駐車場・ガソリンスタンドなど)を行う ルート検索:目的地へのルート検索(最短・最安ルートの検索)などを実施する このように、自動運転では膨大なデータ量を収集することができ、それを元に新機能として便利に自動車を利用することができるようになります。この収集した膨大なデータ量を収集/一時保管するために着目されているのが、クラウドサービスです。クラウドサービス上でこれらの情報を管理することで、周辺の渋滞情報など各種ナビゲーションを含む上記の情報が指定したユーザ 間で簡単に共有できるようになります。ただ、ネットワーク経由による情報処理/伝送遅延や必要情報取捨選択利用のしくみ・機能の開発、対象サービス規模拡張に見合ったサーバー能力・通信容量準備がV2Nによる情報利活用の課題として挙げられます。それでは、これらV2Nの課題に対して日本政府はどのような取組を実施しているのでしょうか。 […]
2022年12月15日

アウトクリプトのV2X-PKIルート認証局サービス、WebTrust認定を獲得

次世代のモビリティ社会の実現に向けた自動運転セキュリティ及びMaaSソリューションを手掛けるアウトクリプト株式会社(AUTOCRYPT Co., Ltd.、https://www.autocrypt.jp、本社:韓国ソウル、代表取締役社長 金・義錫、以下アウトクリプト)の「AutoCrypt V2X-PKI CA」サービスがWebTrustプログラムの基準に適合し、V2X-PKIにおけるルート認証局(Root CA、Certification Authority)として認定されました。V2X通信に関わるルート認証局としてはアジア初、世界3番目の認定となります。 「WebTrust」とは、AICPA(米国公認会計士協会)とCICA(カナダ勅許会計士協会)が定めた、証明書を発行する認証局の信頼性を保証する監査プログラムで、WebTrust認定を獲得するためには、認証局の業務手続き、鍵及び証明書のライフサイクル管理、認証局環境の統制まで、幅広くかつ厳格な要件を満たさなければなりません。 アウトクリプトは、V2X通信における証明書の発行から破棄までのライフサイクル全般のセキュリティレベルに対してWebTrustの厳正な監査基準に基づく審査を受け合格することにより、信頼できる第三者認証機関としてV2X-PKI認証局の信頼性の階層構造を実現しました。「AutoCrypt V2X-PKI CA」サービスは、下位の認証局にV2X通信に関わる証明書を発行及び管理することで信頼性を保証するルート認証局の役割を果たし、北米、ヨーロッパ、韓国及び中国のSCMS標準をサポートしています。 アウトクリプトの代表取締役社長の金・義錫は「今回V2X-PKIにおけるWebTrust認定を取得したことは、国際的に通用するV2Xエコシステムの信頼性と安定性を確保できたということから我々にとってとても大きな意味があります。当社は信頼できる認証機関として、サービス利用者にV2X通信プロセスの簡素化と効率化を提供し、より多様なユースケースにおけるV2X実装を実現していきたいと思っております」と述べました。 一方、「V2X-PKI CA」サービスの他にも、V2X搭載ユニット(OBU)、路側機(RSU)用セキュリティモジュール、SCMS(SecurityCredential Management System、セキュリティ証明書管理システム)など、V2Xのエコシステムにおける幅広いセキュリティソリューションを提供しています。 ■AutoCrypt V2Xについて AutoCrypt V2Xは、ITS(高度道路交通システム)におけるセキュアなV2X通信を支える高度かつ包括的なソリューションを提供します。CAMP(Crash Avoidance Metrics Partnership)、IEEEなどの主要国際標準に準拠した先端セキュリティ技術を用いてV2X環境におけるセキュアな通信を可能にする認証及び暗号化システムを提供し、「ユーザ認証」と「データ暗号化」によるプライバシー保護を実現します。 https://www.autocrypt.jp/v2x/
2022年9月13日

知っておくべき「V2X」の今、自動運転との関係と今後の課題について

今、100年に1度とも言われる大変革期を迎えている自動車業界では、特に「自動運転車」の実現に大きな期待が寄せられています。 本記事では、そんな自動運転技術の中核を担う「V2X」について、自動運転との関係や今後の課題に焦点を当てて詳しく解説していきます。   V2Xとは? V2X(Vehicle to Everything)は、「自動車」と「あらゆるモノ」を繋げる無線通信技術の総称です。ITS(Intelligent Transport Systems)の主要な要素の1つとして近年特に注目されており、V2Xの発展は交通安全だけでなく、交通渋滞の解消、環境負荷の低減、快適な移動体験の提供など、多様な分野での活躍が期待されています。 2022年現在、車と接続する「モノ」として想定されているのは以下の4つです。 V2V(Vehicle to Vehicle):自動車と自動車の通信 V2I(Vehicle to Infrastructure):自動車とインフラの通信 V2P(Vehicle to Pedestrian):自動車と歩行者の通信 V2N(Vehicle to Network):自動車とネットワークの通信 交通事故ゼロを実現する「V2X」ってどんな技術?基礎知識から最新の活用事例まで   自動運転の実現とV2X技術の関係 自動運転と聞くと「自動車のセンサーによって障害物を避けながら自立的に走行する」という印象が強いと思います。確かにそれも重要ですが、自動運転車がより安全・快適に走行するためには、自車両に搭載されたセンサーに頼るだけではなく、信号のサイクル情報、死角の車両や歩行者の情報、道路の規制情報、他車両との協調、などの様々な情報を統合的に取得・分析・活用する必要があると考えられています。 […]
2022年8月17日

交通事故ゼロを実現する「V2X」ってどんな技術?基礎知識から最新の活用事例まで

今、100年に1度とも言われる大変革期を迎えている自動車業界では、コネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous)、カーシェアリング(Shared&Services)、電動化(Electric)、いわゆるCASE時代に向けた様々な取り組みで大きな注目を集めています。中でも、「自動車」と「あらゆるモノ」が通信するV2X(Vehicle to Everything)技術を使えば、対車・人・物との交通事故を限りなくゼロに近づけることができると期待されています。 本記事では、そんなV2Xの基礎知識と活用事例、および今後実用化が期待される未来の技術について解説していきます。 V2Xとは?4つの種類と活用事例 V2X(Vehicle to Everything)は、「自動車」と「あらゆるモノ」を繋げる無線通信技術の総称です。ITS(Intelligent Transport Systems)の主要な要素の1つとして近年特に注目されており、V2Xの発展は交通安全だけでなく、交通渋滞の解消、環境負荷の低減、快適な移動体験の提供など、多様な分野での活躍が期待されています。 2022年現在、車と接続する「モノ」として想定されているのは自動車(V2V)、インフラ(V2I)、歩行者(V2P)、ネットワーク(V2N)の4つです。ここからは、V2Xがもたらすメリットを現在実現している技術を中心に分かりやすく解説します。 V2V(自動車と自動車の通信) V2Vは、自動車と自動車が相互に通信を行って情報を共有し、必要に応じた運転支援を実現する技術です。日本ではトヨタ自動車が2015年に世界に先駆けてITS専用周波数を活用した運転支援システム「ITS Connect」を実用化しました。ITS Connectには下記のようなV2Vが組み込まれています。 通信利用型レーダークルーズコントロール 先行車が通信利用型レーダークルーズコントロールに対応している場合に限り、V2Vによって取得した先行車の加減速情報に素早く反応して最適な速度を計算・調整することで、速度や車間距離の変動を抑えた快適な追従走行を可能にします。 緊急車両存在通知 周囲に通信対象車両が存在する場合、その車両が緊急車両のサイレンを検知するとブザー音が鳴り、自車両に対するおよその方向や距離や緊急車の進行方向が表示されます。視界が悪く、騒音でサイレンが聞こえづらい状況などでも、事前に緊急車の存在を知ることができます。 出会い頭注意喚起 周囲に通信対象車両が存在する場合、見通しの悪い交差点に侵入する際に左右が確認しづらい状況でも、車同士の通信により車両の接近をリアルタイムで検知・通知するシステムです。接近車両に気が付かず発信しようとした場合はブザーが鳴り、注意を促すとともに安全に交差点に進入できるようサポートします。 右折時注意喚起 交差点での右折待ちで対向車などによって直進車を確認しづらい状況でも、対向車が通信対象車両であればその存在を通知するシステムです。対向車に気が付かずに発信しようとした場合はブザーが鳴り、注意を促すとともに安全に交差点を右折できるようサポートします。 しかし現在、トヨタ自動車が販売する一部の車種にオプション機能として提供され、V2V対応の車同士でしか通信できないため、様々な機能を提供しているもののまだ広く普及していないのが現実です。今後、V2V 通信の更なる発展により,衝突防止支援や追従走行支援といった高度な安全運転支援は実現できるでしょう。 V2I(自動車とインフラの通信) […]
2022年8月5日

C-V2XとDSRCの違いと今後の展望、世界各国のV2Xの導入状況について

V2Xを実現する技術として世界的に標準化が進められている通信規格に「C-V2X」と「DSRC」があります。どちらも、無線通信を使って自動車とリアルタイムで相互に通信を行うという点では同じですが、性能や特性には大きな違いが見られます。本記事では、「C-V2XとDSRCの違い」と今後の展望を、「世界各国のV2Xの導入状況」とともに詳しく解説していきます。   V2Xとは?C-V2XとDSRCの違いと今後 V2X(Vehicle to Everything)は、「自動車」と「あらゆるモノ」を繋げる無線通信技術の総称です。V2Xが実現することで、交通安全・交通利便性・自動運転・輸送管理・少子高齢化・エネルギー問題などの様々な分野の課題解決が期待されています。 2022年現在、車と接続する「モノ」として想定されているのは以下の4つです。 V2V(Vehicle to Vehicle):自動車と自動車の通信 V2I(Vehicle to Infrastructure):自動車とインフラ(車道に設置された通信機、ETC、信号機など)の通信 V2P(Vehicle to Pedestrian):自動車と歩行者の通信 V2N(Vehicle to Network):自動車とネットワークの通信 V2Xを実現する技術として標準化が進められている通信規格が2つあります。それが「DSRC」と「C-V2X」です。   DSRCとは? DSRC(Dedicated Short Range Communication)は高度道路交通システム(ITS)で利用されている通信規格で、例えば道路脇に設置された通信機と車載機が双方向無線通信を行い、交通情報の提供などを可能とします。数m~数十m程度の狭い距離で通信を行うため「狭路通信」とも呼ばれます。 […]
2022年5月12日

自動車セキュリティEnd to Endソリューションを展開するアウトクリプト、「人とクルマのテクノロジー展2022横浜」出展

自動運転セキュリティ企業アウトクリプト株式会社(AUTOCRYPT Co., Ltd.、https://autocrypt.io、本社:韓国ソウル、代表取締役 金・義錫、以下アウトクリプト)は、2022年5月25日(水)から27日(金)まで3日間、パシフィコ横浜で開催される自動車技術展「人とクルマのテクノロジー展2022横浜」に出展いたします。当社として初めての展示会参加となります。 アウトクリプトはこれまですべての「移動」をより安全にするためのセキュリティソリューションを開発してきました。「人とクルマのテクノロジー展2022横浜」では、自動車サイバーセキュリティソリューション、V2Xセキュリティソリューション、トータルフリートマネジメントシステムの3つのサービスを展示いたします。今後モビリティ社会に必要とされる自動運転セキュリティ技術を中心に、だれもが安全で自由に移動できるFMSサービスまで幅広いソリューションをご紹介します。   ・WP29に完全対応:自動車サイバーセキュリティソリューション「AutoCrypt IVS」  車載ネットワークを狙ったサイバー攻撃が増加しており、自動車産業を取り巻くサイバーセキュリティリスクは深刻化しています。2022年7月以降の新型車においては、車両の型式認可を受ける際に国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が決めたサイバーセキュリティ要件を満たす体制であることを示す必要があります。このため、自動車のサイバーセキュリティを強化させることは、自動車メーカーやサプライヤーにとって非常に重要な課題となっています。 AutoCrypt IVSは、自動車通信プロトコールに最適化されたサイバーセキュリティ対策です。自動車通信セキュリティに必要とされるファイアウォール及び侵入検知システムの機能を提供し、ECUの安全な通信確立に必要なセキュリティモジュールを提供します。車両外部から侵入される悪性通信だけでなく、車両内部で発生する異常な通信内容まですべて検知及び対応します。 ・国際セキュリティ標準規格に対応:V2X通信セキュリティソリューション「AutoCrypt V2X」 自動運転のレベルが高くなるほど、自動車とあらゆるものがつながるV2Xの安全性確保が重要な課題になります。一方、自動車産業のグローバル化をが進展するにつれ、自国のみならず他の国でも生産・販売などを進めている自動車メーカーや部品サプライヤーにとって、国や地域によって異なるセキュリティ基準に対応することがますます重要となっています。 AutoCrypt V2Xは、V2X環境におけるセキュリティ通信のための認証及び暗号化システムを提供し、「ユーザ認証」と「データ暗号化」によるプライバシー保護を実現します。無線通信技術におけるセキュリティ標準規格のIEEE 1609.2をサポートする他、北米(SCMS)、欧州(CCMS)、中国(C-SCMS)など、国や地域によって異なるそれぞれのセキュリティ標準規格のすべてに対応するセキュリティ証明書システムを提供します。 ・日本初出展:トータルフリートマネジメントソリューション「AutoCrypt FMS」  モビリティの進化によって、車から得られる膨大の量の「モビリティデータ」は重要度を増しています。アウトクリプトは自社が提供するOBD IIから収集したデータを活用し、MaaS事業者に対し最もセキュアなフリートマネジメントシステムを提供します。AutoCrypt FMSは、車両状況の常時モニタリングを行い、車両情報基盤の診断と運転習慣分析によるサービス改善を支援します。また、エンドツーエンドの暗号化及びユーザ認証テクノロジーによるフリートの安全で効率的な運用をサポートします。 特に、今回の展示会では、多くのユーザ様に実際ご利用頂いてる当社の移動プラットフォームを展示します。障害者の外出時の移動を支援する「交通弱者向け移動プラットフォーム」、少子高齢化社会における地域公共交通として注目されている「需要応答型交通(DRT)システム」、複数の移動手段のルート検索・移動手段の予約・決済までをアプリ上で行いシームレスな移動をサポートする「マルチモーダルモビリティサービス」まで、AutoCrypt FMSを活用した最新事例をご紹介します。 ■展示会概要  【リアル展示会】 […]
2020年3月12日

ペンタセキュリティ、 OECD国際交通フォーラム(ITF)「交通安全ハイレベル会合」に参加

情報セキュリティ企業のペンタセキュリティシステムズ株式会社(日本法人代表取締役社長 陳・貞喜、https://www.pentasecurity.co.jp、以下ペンタセキュリティ、韓国本社、ヒューストン/米国法人)は、令和2年2月19日、スウェーデン・ストックホルムで開催された国際交通フォーラム(以下ITF、International Transport Forum)主催の「交通安全ハイレベル会合 (Ministerial Conference on Road Safety)」に参加し、未来のクルマ社会に向けた韓国の技術開発の現状を紹介し、自動車セキュリティについて発表した。 <ペンタセキュリティ李 錫雨社長、左から3人目> ITFは経済協力開発機構(OECD)傘下の世界59ヵ国の加盟国の交通大臣、交通関連企業のCEOなどが集まり、自動運転技術、環境汚染、交通ネットワークの確立など、戦略的に重要なテーマを取り上げ、交通政策に関する方向性を打ち出す国際枠組みである。今回の「交通安全ハイレベル会合」は未来の自動車環境における新たな脅威となったセキュリティ問題などについて議論しながら対策を講じるために開かれた。 ITFの企業協力理事会(CPB、Corporate Partnership Board)に会員企業として所属しているペンタセキュリティの李 錫雨(リ・ソグ)社長はフォード(FORD)、トヨタ(TOYOTA)、ウーバー(Uber)、グーグル(Google)等、会員企業の代表たちと政策会議に参加し、未来のクルマ社会に向けた韓国の技術開発の現状を紹介した。また、△未来の自動車環境でのSecurity First、Then Connect(セキュリティから始まる。そしてつなぐ)に基づいた政策の必要性△複数の技術の組み合わせることでなく、ホールシステム・アプローチ(Whole System Approach)の必要性△自動車セキュリティに関する具体的な規制の必要性などについて発表した。 ペンタセキュリティは2007年から自動車セキュリティ研究に取り組み、2015年に自動車セキュリティソリューション「AutoCrypt(アウトクリプト)」を開発した。現在、車両間、車両とインフラ間の安全な通信のための認証・暗号化を提供するV2X(Vehicle-to-Everything)、安全な電気自動車セキュリティのためのV2G(Vehicle-to-Grid)、自動車通信プロトコルに最適化した車両用ファイアウォールのAFW(Advanced Firewall)など、自動車全般におけるセキュリティソリューションを提供している。昨年11月には自動車セキュリティソリューション部門を分社化し「AUTOCYRPT」を設立した。 ペンタセキュリティの李 錫雨社長は「未来の自動車環境では自動車が一つのネットワークを通して様々なインフラとつながることになる。だからこそ、自動車に対するセキュリティに加え、自動車を取り巻く交通システムも含めた包括的な観点から政策を立てていく必要がある」とし、「ペンタセキュリティとAUTOCRYPTは、世界有数のモビリティ企業と協力し合って、未来のクルマ社会に向けた安全な交通環境の構築に貢献していきたい。」と述べた。
2019年10月29日

ペンタセキュリティ、 ‘OECD国際交通フォーラム(ITF)’ に加入

IoT・クラウド・ブロックチェーンセキュリティ専門企業のペンタセキュリティシステムズ株式会社(日本法人代表取締役社長 陳・貞喜、https://www.pentasecurity.co.jp、以下ペンタセキュリティ、韓国本社、ヒューストン/米国法人)が10月29日、経済協力開発機構(OECD)傘下の’国際交通フォーラム(以下ITF、International Transport Forum)’の企業協力理事会(CPB、Corporate Partnership Board)として加入し、自働車セキュリティ専門企業としては初の会員社になったことを明らかにした。 <佐 OECD国際交通フォーラム事務総長のキム・ヨンテ氏、 右 ペンタセキュリティCEOの李 錫雨(リ・ソグ)氏> ITFの企業協力理事会(CPB)はフォード(FORD)、トヨタ(TOYOTA)、シーメンス(SIEMENS)、ウーバー(Uber)、グーグル(Google)等グローバルモビリティ企業約30社が既に所属されており、経済・環境・社会的観点から交通政策の共同研究を進行する機構だ。ペンタセキュリティは自動車セキュリティ専門企業としては最初で、韓国の企業としてはカカオモビリティに続いて2番目で会員社になった。 2007年から自動車セキュリティ技術を研究・開発してきたペンタセキュリティは2015年、自動車セキュリティソリューションである「AutoCrypt(アウトクリプト)」を発売し、自動車ハッキング防御やV2Xセキュリティ、V2G(電気自動車環境)セキュリティ、V2D(車両向けモバイル)セキュリティ等のソリューションを供給している。最近は、韓国道路公社の「V2Xセキュリティ認証体系の実証システム構築事業」を受注し、主要道路網に協調走行及び自動運転に必要な車両通信セキュリティの構築など、国内外で活発に事業を展開している。 ペンタセキュリティCEO/Founderの李 錫雨(リ・ソグ)氏は、「未来自動車の交通環境ではセキュリティが先行しなければならないため、セキュリティ専門企業として国際交通フォーラムCPBの会員企業に参加することになった。我々が話している’Secure First、 Then Connect(セキュリティから始まる、そしてつなぐ。)’に基づき、世界の先導企業と協力し、モビリティ革新と安全に寄与したい。」と述べた。 一方、ペンタセキュリティは10月21日シンガポールで開催された「ITS World Congress」イベントで、スマート道路網V2Xセキュリティ認証システムの構築事例を紹介した。国家規模のセキュリティ認証システムの構築事業は、世界的に前例のないことで、多くの国から韓国の事例をベンチマーキングしている。
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