愛知県刈谷市は「トヨタ発祥のまち」として知られています。トヨタグループ創業者である豊田佐吉氏が1926年刈谷市で株式会社豊田自動織機製作所(現、株式会社豊田自動織機)を設立し、自動車製造のために1933年自動車部を設置したのが、今のトヨタ自動車の誕生のきっかけです。現在でもトヨタ自動車、デンソー、アイシングループ など自動車関連産業は刈谷市に集積しています。
日本の自動車産業を代表する刈谷市で、韓国のモビリティトレンドの紹介と両国の協力強化を図ることを目指し、 KOTRA(大韓貿易投資振興公社)主催の「韓国次世代モビリティ技術展 2022」が開かれました。2022年11月22日~23日の二日間に渡って刈谷産業振興センターで開かれたこのイベントでは、韓国自動車産業を代表する現代自動車(ヒョンデ)をはじめ、次世代モビリティビジオネスを展開する自動車関連企業45社が出展しました。大変光栄なことに、韓国で注目されるモビリティセキュリティ企業として選ばれ今回のイベントに出展することとなりました。
会場ではヒョンデが日本で市販しているEVのIONIQ5と燃料電池車のNEXOをはじめ、韓国のモビリティトレンドを確認できる自動車部品、素材、バッテリーなどが展示され、韓国の自動車産業に興味を持っている多くの方に来場していただきました。
自動車産業パラダイムが急変しています。ハードウェア中心の機械からソフトウェア中心の電子機器へと変化に伴いソフトウェア定義型自動車(Software-Defined Vehicle)が登場することによって、自動車そのものを超え「移動」に対する価値観や概念の転換が求められています。
IT強国と呼ばれる韓国でも2000年代後半からIT技術と自動車システム技術を融合したコネクテッドカーやEVの研究開発が本格的に始まり、ヒョンデのような大手企業からモビリティスタートアップまで、自動車業界の様々な分野で車と交通の未来像を見据えた様々な取り組みが進めてられています。
一方、自動運転に向けた国際的な取り組みとしてセキュリティが注目されています。自動車業界をリードする日本やEUなどでは、UNECE WP29で合意された自動車のサイバーセキュリティ法規(UN-R155)が今年の7月から本格的に実施されており、2024年7月に全ての新車を対象にこの規則の義務化が予定されています。UN-R155やISO/SAE 21434により、OEMやサプライヤーに対し自動車開発から販売におけるライフサイクルにおけるサイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS)の構築が求められるようになるなど、今後自動車のサイバーセキュリティにどう対応していくかは自動車業界全体の課題になると考えられます。
そこで今回は、自動車開発段階から適切なセキュリティ対策を進めていくことができる、車のサイバーセキュリティソリューションを紹介させていただきました。当社では、CAN及びEthernetなど車載ネットワークにおけるサイバー攻撃に対する検知機能とECUセキュリティを提供する「AutoCrypt IVS」をはじめ、車載ソフトウェアに使用されたOSSに対し分析機能とSBOMを提供するツールの「AutoCrypt Security Analyzer」、自動車開発段階で必要とされるファジングテスト(Fuzzing Test)ツールの「AutoCrypt Security Fuzzer」など、UN-R155や ISO/SAE 21434が要求するセキュリティを担保するための最適な解決策を提供しています。2007年から17年間自動車のサイバーセキュリティを研究開発して技術力と専門性を有し、車内セキュリティ及びV2Xセキュリティにおける様々な実績を積み重ねてきました。2023年に量産される2700万台の自動車に当社のセキュリティ技術を搭載することが確定しています。
自動車は単なる機械を超え、ソフトウェア、それからサービスとして捉えるようになるでしょう。自動運転が実現するには、自動車高度化のみならず交通システム観点からの対策も必要になるということです。そこで、鍵となるのがMaaS(マース:Mobility as a Service)で、今後MaaSをどう展開していくかはモビリティ企業に重要な課題になると思います。当社が提供するモビリティソリューションの「AutoCrypt FMS」は当社ブースに立ち寄ってくださった多くの方に好評をいただきました。「AutoCrypt FMS」はOBD2から車両管理システム(FMS)、ドライバー・ユーザ用のプラットフォームまで1つのパッケージとして一貫したサポートを提供します。
今回の展示会で日本のお客様と直接お話ができ、実際に当社のソリューションを知っていただける良い機会になったと思います。今後も自動車のサイバーセキュリティ及びモビリティサービスにおける課題解決に向けて最適なご提案をしていきたいと思います。また皆様にお会いできることを楽しみにしております。
今回のイベントでご紹介した製品の詳細は下記のURLをクリックしてご覧ください。
AutoCrypt IVS
AutoCrypt Security Analyzer
AutoCrypt Security Fuzzer
AutoCrypt FMS